夢男



さて、どうするか。

妻からは、ハッキリと拒まれてしまった。

このままスピリチュアルな思考を貫いて、東京に戻り、一人でやりたい人生を進んでいくか?

それとも、やりたくもない仕事を始めるか。。

喧嘩での胸くそ悪さもあり、初めのうちは東京へ帰り、自分のスタイルを貫くことを考えていた。

自分の書いた作品も評価してもらっている。

あとは出版に向けて行動を起こすところまで来ているんだ。


しかしそんなことをして、僕は本当に幸せなのか?

僕が成功したいのは何のためなんだろうか?

そもそも”成功だと思っている場所”はどこにあるのだろうか?

妻が実家に帰ってる間、僕は自分の中の奥の部分と会話をして過ごす。

食欲もなかったので、一日一回だけ少量の野菜を炒めて食べていた。

しばらく辞めていたお酒も、昼から飲んでしまう始末…。


妻と別れるということを改めて考えた僕は、身体の半分が引き裂かれるような感覚だった。

同時に”成功だと思っている場所”が、なんとなくわかってきたような気がしていた。


僕は自身のブログを開いた。

もちろん記事を書く気力はない。

ただなんとなく、自分で書いた小説を読みたくなったのだ。

妖精は小さなおじさんを読み進めた。

どこかの誰かに勇気を与えられる、気づきを与えてあげれると思っている自分の小説だ。

物語の一部始終を知っている小説。

僕は、自分が書いたその小説に勇気づけられていた。

視野が狭くなっている自分に気づかされた。自分の文章から…。


そうだった。

宇宙の計画は壮大で、そのすべてを把握することはできないんだ。

日々起こる現実の中には、もしかしたら人生で最悪な出来事だと見えることもあるだろう。

でもね、そこを通らなくては先へは進めないんだ。

人生のパズルを完成させるには、それは必要なピースなんだ。

道の途中である今、そのプロセスを楽しみながら進めばいい。

絶対に大丈夫だから。



僕は、今起きている現状を受け止めることにした。

そしてこのことが、未来のどこかで活きてくると理解した。

僕は妻を愛している。

妻に楽をさせたくて成功を求めていたんだ。

妻と愛犬クマジと一緒に自由を満喫したくて、成功を求めた。

一人でやり遂げたって意味はない。

夫婦で、家族で歩んでいきたいんだ。



僕の目からは涙が溢れていた。

それは、普段は顔をだすことがない、愛に触れることができている証拠であった。


僕はGoogle検索に文字を打ち込んだ。


【🔍:松江市 求人 仕事】…。






つづく。



次回: 僕は無職で夢男⑧~仕事を見つける~

前回: 僕は無職で夢男⑥~スピリチュアルな旦那~

最初から読む: 僕は無職で夢男①


 ○会社を辞めキャンピングバスで旅した実体験小説
人生のレールを脱線してみた僕の半生記~Life is a journey~ 


○宇宙の法則をテーマに書いた小説 
妖精は小さなおじさん


○人生の真理を表現した短編小説
幸せの映画館


○小説以外も毎日更新している僕の考え方
宇宙には法則があるんだよ



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